夏休み見聞録
夏に読んだ本とか行った博物館とか展示とかを纏めるところ。割とメモより
8月〜10月の2ヶ月間をどっかり纏めたので割と文章量あると思います。なのでナナメ読みしていただけるとありがたいです。多少なりとも癖と趣味が露呈しそう。
本を貸してくれたり紹介してくれた人たち、本当にありがとうございます。
1)本・SS
・推し、燃ゆ。 宇佐美りん 河出書房新社
芥川賞に受賞されたときにもろもろメディアで名前を聞いたときにかなり気になっていたものの読まないまましばらく経っていたので、これを機に読むことに。
文庫本に全く触れていないせいで本に対して謎に荘厳なイメージがあったので、タイトルを見たときは「『推し』って自分が知ってる『推し』と違う意味なのかな…?」と思ったが、読んだらよ〜〜く知ってる『推し』だった。
読んだ第一感としては「不思議な感覚」だった。小説としてめちゃくちゃ完成していたにも関わらず、高校生の若い心情に対するめちゃくちゃ高い完成度。なんだこれ。
著者が大学生であることを考えるとこの感覚がめちゃくちゃ理解できた。文章を書くことを体系的に理解できるギリッギリ下限の年かつ、高校生の複雑な心情に対しての記憶が掠れないギリッギリ上限の年が大学生なんだろうな〜って思った。それくらい主人公の動向にある種の生々しさすら感じた。
これも芥川賞らしい。「人は人生のどっかしらでアングラに憧れるタイミングが訪れる」ってのと「オタクほどアングラへの羨望を長い間持ち続ける(アングラになりきれない半端な素行不良をしがちなので)」のが持論なのだが、未だにアングラに漠然と惹かれる自分が嫌という程思い起こされた。オタクなので。
アングラに慣れていなさすぎて最初は小説の世界観に着いていけず若干しんどかったけど、読んでるうちにちょっとずつ慣れてって中盤からはガンガン読めてった。
・変な家 雨穴 飛鳥新社
知り合い同士がこれのシリーズを貸し借りしているタイミングに居合わせて、流れで借りることに。所謂ミステリーの一種。
ミステリー本を読まない人(そもそも本を読む機会がほとんど無かった)だったので「ミステリー」といえば平日昼間にやってるようなドラマのイメージが強く、「最初に謎に人が殺されてそっから話が展開していって、、、」っていうのがお決まりの流れとして頭の中に刷り込まれてた。なのでこの本の展開は結構新鮮で面白かった。
家の図面の違和感から話が展開していって、段々のストーリーがミステリーに寄っていく。イントロから読んでると「何これ?」とも思いはしたが、本格的なミステリー展開までに持ってくまでの話の持ってき方がめっちゃ精巧だった。家の設計を題材にしていることから図面の挿絵が所々で入っており、ストーリー展開が複雑ながらもわかりやすく内容を理解することができた。
SSとエッセイの間みたいな短編集。短編1個が5分くらいで読めてしまうので、隙間の時間にちょっとずつ読めて日頃の些細な楽しみみたいな感覚で読めた。
小説とかは一気に読み切らないと中身忘れかける鳥頭人間なのと脳みその思考を解剖したみたいなエッセイにシンパシーをめっちゃ感じたのとで、読書を始めるのにはとても敷居が低くいい感じだった。
・「言葉」にも突き放された我々は ―――「青春の全体主義」概念の語り直し 竹馬春風(一部抜粋部分のみ)
なんかバイト先で暇してたら急に紙でこの文を渡されたので読んだ(?)。「少年少女、画一化されたイマジナリー青春(個人的に思いつくのは『制服着てカチューシャつけて、夜のシンデレラ城の前で後ろ向きながら手繋いでみんなでジャンプしているアレ』とか)に固執しすぎがち」みたいなおもろい感じの文章だった。偏屈人間が好きそうな文章(失礼千万)。
『青春』とか『エモい』とかってワードに無理やりカテゴライズして言語化することで若者は帰属意識が高まるらしい。SNSの発達で青春コンプレックス拗らせてる人が増えてるから尚更ね、的な。わかる。SNS大好き人間なので。これも著者が大学生だったから「あーね」感満載の文章だった。
・タナトスの誘惑
YOASOBI「夜に駆ける」の原作小説。ほぼほぼSS。生徒に片っ端から読書感想文の話を聞いてたら、「YOASOBIの原作小説で読書感想文(擬き)の準備しましたー」って言われたので読んだ。
ネットの文とはいえ「小説」って書いてあったので、なろうみたいな長い感じなのかな〜、と気合い入れて読んだらあっさりSSでするっと読めた。
「夜に駆ける」のPVと歌詞は十二分に知ってたので情景が思い浮かびやすかったし、読み進めてると「この歌詞こういうことか!」みたいなカタルシスっぽいものも感じられた。
知らない人はいない、それでいて読んだことある人は案外少なさそうな気がする本。
後の「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」もそうだけど、ここら辺の本は下記のツイートを参照した。そして鬱小説は鬱のときに読むに限る。
https://twitter.com/summer3919/status/1637508872662568960?t=xtT1IOf_2iDxnuaJZ0uf3Q&s=19
溺れていくものに遍く溺れていって、途轍も無い内省を繰り返しつつもそこから脱却できないもどかしさというかなんというか、最終盤に綴られる「人間、失格。」の言葉の重さたるや。
題名はかわいい。でも中身はゲロ重かった。終始晴れ晴れしい感覚になることはなくて一生鬱屈な感情で読んでた(めちゃくちゃ褒め言葉)。開幕で新聞の見出しみたいに「○○の死体が発見された」から始まるからずっと「ああ、でもこいつ死ぬんだよな、、、」っていう感情が脳の片隅に置かれながら読み進めていく悲しさよ。それはそれでとても楽しいから良かった。アニメ2週目してるときに「でもこいつ死んじゃうんだよな〜〜」って感情になるのと一緒。それが初見で襲ってくる感じ。呪術廻戦の劇場版を観てから懐玉・玉折編の夏油みてる感じ。
・虚空経典 剣持刀也
シンプルに「剣持のエッセイ」ってのに惹かれた。書体もかなりカジュアルで読みやすかった。
特に色んなことを経験すればするほどネガティブにならなくて済む、的な思考のとこはマジでそうだな〜って思って(そもそも色々本読み始めたり出かけたりし始めたのはここが大きいかも)、一層剣持に惹かれるようになった気がする
以下読みかけ
中学生の頃に狂ったように何度も読んでたミステリーシリーズのうちの1つ。何故かⅢだけ読み切った記憶が無いので読み途中。シリーズだと5番目のニュークリア・フュージョンと6番目のクロノスタシスがとても好き
・傲慢と全良 辻村深月
BOOKOFFに積んであったから衝動買い。分厚いからゆっくり読みたい
・恋と禁忌の述語論理 井上真偽
理系が好きそうな物語(雑)。事実おもろい。PNが「真偽」なのがもう好き。
2)展示・美術館
・CHROMA(寺田てら個展)
ぼくの最推しナナヲアカリといえばこの人。ジャケットも然りPVも然り、本当に良くこの人の絵を見る機会が多い。
これとか
これとか
これとか
絵柄も相当好きなのでノリで池袋まで行くことに。画像動画撮り放題だったのでパシャパシャ撮りまくった。
✝︎昇天✝︎
さんばかもいた
ごちゃごちゃしてる絵がかなり好きなので(ゴーゴー幽霊船のPVとか)、総じて絵をみてて楽しかった。展示自体は割とスッキリしてたから絵のごっちゃり感が際立ってて良かった(こなみ)。
夏休みの本丸。米津玄師が紅白やっていたのと、「黒い家」の展示がされているとの事でだいぶ前からめちゃくちゃ行きたかった。四国まで行く機会があったのでついでに寄ることに。写真が撮れないことを覚悟して入ったものの、写真がオッケーだったということで躊躇なくパシャパシャ撮らせてもらった。
システィーナ大聖堂のレプリカ(?) 「最後の審判」(ミケランジェロ)には圧巻の一言
スクロヴェーニ礼拝堂
Lemon
米津玄師が2018年に紅白歌合戦で、同美術館でLemonを歌った事から。
「牛乳を注ぐ女」(フェルメール)
改めて注視すると牛乳の描画がえげつなかった。
「我が子を喰らうサトゥルヌス」(ゴヤ)
正直美術館に行った目的の半分くらいはこれ。圧巻。
「民衆を導く自由の女神」(ドラクロワ)
本当に展示数が多く、これの10倍くらいは写真を撮ったんだけどキリがないのでここで割愛。
・Cygames展(上野の森美術館)
6年半くらいサイゲに生かされてるから行かなきゃなぁって思って友達と行った。サイゲのイラストとかキャラクターはサイゲのゲーム内でめちゃめちゃにリンクしてる場合が多い(グラブルからシャドバに転用されたり、逆も然り)ので全ブースめちゃめちゃに楽しめた。展示されてる中で知ってたタイトルが
・shadowverse
・進撃のバハムート
・グラブル
・アイマス
・プリコネ
・ウマ娘
って感じでほぼほぼ全部で毎ブースごとにテンション上がってた。写真はシャドバのブースとグラブルのブースメインに撮った。
入口。みんな集合してた
推し① アルベール
冗談抜きで1万回以上使った加速装置と機構の解放
写真ブレすぎ
推し② ララミア
グランサイファー号。浮いてた
十天衆。ニオのエフェクトがめちゃくちゃ良い
セレスト・マグナ
しぶりん
バハムート像。クソでけぇ。
出口のアリサ&ルナ
アリサとルリアのポストカード かわよい
以上。読書する習慣が付いたし、なんなら文学とか芸術に若干興味持ち始めたので良かった。いい夏休みでした。